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団研六原則の紹介


「地球のなぞを追って──私たちの科学運動──」
地学団体研究会著(大月書店)より一部抜粋

私たちがすすめる団体研究はどのように組織していけばよいのでしょうか。
ここでは、団体研究を組織する場合の団研六原則を紹介します。
この原則は、井尻正二さんによって提起され、団体研究の実践のなかで試され、確認されてきたものです。

第一に、団体研究をすすめるためには、研究テーマをはっきり決め、テーマをしぼってとりくむことです。そして、その研究に参加するすべての研究者が、研究のテーマを十分に理解してとりくむことが大切です。

第二に、研究方法や研究手段の大すじを統一して、メンバーのあいだの連携を有機的なものにしておく必要があります。これによって、観察・研究対象についての統一的な認識がえられるようになります。

第三に、それぞれのメンバーに分担された問題の要点は、メンバーが必ずものに則して観察しあい、検討しあい、考究しあい、かつ討論しあう必要があります。

第四に、研究の途中で一人のメンバーが新しく発見した事実、または新しく発想した問題は、それがどんな問題であっても、必ずみんなでその問題を検討し、 考え、討論して、もしその問題が団体研究の趣旨にあうものであれば、すべてのメンバーがその問題にとりくむような精神と心がけが大切です。

第五に、研究のリーダーは、年齢・学歴・地位にかかわらず、とりあえず、研究テーマの発想者があたり、その後に、研究の進展に応じて、話し合いによって リーダーを選びだすのがよいでしょう。熱意をもって研究をすすめていくリーダーがいることは、団研を活性化させ、発展させていく不可欠な条件の一つです。

第六に、団体研究をおこなうときに大切なことは、少なくとも「まじめに研究したい」という点で一致していることです。名誉心や出世主義にとらわれたメンバーがいると、団体研究は成功しません。


『地球のなぞを追って─私たちの科学運動─』(大月書店の書籍紹介サイトへ)